Déraciné

デラシネ(2004年個展)

テレビのニュースで連日繰り返されるイラクのこと。子供達はそれを見て気づいていく。

今年13歳になる娘が、『ここでの日常が、かの地では夢のようで、かの地での日常が、ここでは地獄のようだ』というようなことを言った。

 

"デラシネ"にはフランス語で〔根こそぎにされた〕、〔祖国を離れた〕、そして〔悪徳などを根絶させる〕という意味がある。今回の個展のテーマになった。

 

花・・・

芽の出た地で静かに咲いていた花が、何かの力によってどこかにいく。

根はどこかの水を吸おうとして、花を咲かせようとする。

根こそぎにされた草花が、新しい土に根をおろして花開く感じ。

あるいは、枯れていく感じ。

 

国・・・

異郷の地で衣食住する。異郷の空気を吸う。

もしも全ての国の人が、全ての祖国というものから、少し、離れたとしたら。

もっと生身で、解き放たれて、自由になっていく感じ。

または、不安な感じ。